こんにちは、ぶちょうです。
今日はHWから新金型で登場した、
アウディ スポーツクワトロのインプレを進めようと思います。
まずは両面パッケージから
この期になってHWからも面白いラインナップが登場しました。
それではモデルを見てみましょう。
意外と64スケール下でミニカーになってることが少ないスポーツクワトロ。
新金型だけに総じてクワトロの風貌を上手に表現しており、
特に角ついたAピラーから差し掛かるルーフの造りが魅力的です。
ボディカラーそしてホイールに至るまで、
正にラリーカーのシルエットをモデル全体を通して再現。
かなり拘ってモデルを製作したに違いない事は容易に想像出来るでしょう。
リヤはコレといった彩色は施されてありません。
ブレーキランプくらいでも配色があったら嬉しかった。
でも深めなモールドで部品の分け目はちゃんとついているのはOKポイント。
さすがにリヤスポイラーの下に付くオイルクーラーまで再現とは至ってないですね。
ヘッドライト&グリルは彩色が入り中々良い見映えをしています。
ボンネットも片方のみ付くダクトも再現され力の入った拘りよう。
ドアミラーが付属したことによるディティールUPも良ポイントの一つ。
シャーシにはロアアームやマフラーのモールドが入っています。
ここ最近活躍する機会が増えてきているように感じるこのホイール。
ホイールベーンが再現されたデザインゆえ、
特にラリーカーとは絶大なマッチングの良さを見せます。
この代になって中々興味深いモデルをホットウィールは投入してきました。
HWのリアルカーのラインナップは最近ニッチな物も増えてきてて、
更に新金型へのスイッチで既存の車種も出来栄えが大幅に良くなったモデルも多々。
チープ系ミニカーも年々クオリティが増してきている事を感じますね。
今日の実車話はスポーツクワトロ・・といきなり当モデルの話をする前に、
ベース車となった「アウディ・クワトロ」の話から始めるとしましょう。
1980年ジュネーブモーターショーで姿をクワトロは、
4WDマシンの固定概念を根本から覆した、
言ってみれば「革命的存在」・・・そうとさえも言えるマシンなのです。
アウディ・クワトロがこれほどの偉大な存在となった何よりのワケは、
『クワトロシステム』たる現在のアウディのも根深く受け継がれる、
フルタイム4駆システムの存在この一点にあります。
当時の4駆システムは、飽くまでもオフロードを走行するための、
一時的に4WDに切り替えるパートタイム4WDが主流でした。
ここに革新的な技術として、常時4輪で駆動する「フルタイム4WD」が登場。
このシステムこそがアウディ・クワトロの真髄であり、
コレが導入された事で4WD車のイメージは丸ごと覆ることになりました。
今現在に至るまで多くの高性能4WDスポーツカーが存在しているのは、
クワトロあっての影響そのものが現実に体現されたものと言えます。
そして時は進み83年。 グループBのホモロゲーション取得のため、
クワトロをベースに開発された「スポーツクワトロ」を発表、
わずか214台のみが生産、販売されました。
オーバースペックとも言えるハイパワーユニットをその心臓とし、
オフロードをアグレッシブに駆け巡るモンスターマシンが集まるグループB、
アウディはこれ以前にクワトロA1&A2とマシンを送り出してましたが、
ここで新たにスポーツクワトロとして「進化したクワトロ」を投入する事になります。
グループB参戦にあたり車両にはそれに向けた多くの対策が盛り込まれました。
ベース車のクワトロより寸詰まったフロントビューもそれによるもので、
センター部分から切り詰めてショート・ホイールベース化を画策。
運動性能の向上につなげたほか、もちろんエンジン関連も大きく強化。
DOHC20バルブ化した直列5気筒2.1リッターターボ付きユニットからは、
最大300馬力を市販状態で叩き出すに至ります。
満を持してグループBのシーズン途中から新投入されたスポーツクワトロ。
しかし成績は期待通りの結果をもたらす事は成らなかったのです。
その最大の原因は極端なステアリングの悪化にありました。
小回りを利かす為にショート・ホイールベース化させたこと自体は正解でしたが、
肝心だったのはリヤオーバーハング(後輪中心から後ろの長さ)に至る、
リヤのヨーイング対策にほとんど手が入っていなかったのです。
結果として折角考え出した操縦性UPも思うように活かせずじまいで、
クワトロが抱え続けた強いアンダーステアにまたしても悩まされることに。
結局スポーツクワトロは1勝の勝利回数を記録しただけに留まり、
その後は以前用いていたクワトロA2を再び繰り出す事になります。
スピードこそスポーツクワトロは確かに分がありましたが、
ハンドリング性能の面を見兼ねクワトロA2を持ち込む事が増えるようになり、
そして皮肉にも84年グループBのドライバーズタイトルは、
クワトロA2を以てタイトルの座を射止めるという結末を迎えたのでした。
スポーツクワトロがこの年脚光を浴びる事は無かったものの、
程なくして翌年「クワトロ究極体」と呼ぶに相応しいマシンが、
スポーツクワトロの後継車として新たに誕生する事に続いていきます。
今日のインプレは以上です、最後まで読んで頂きありがとうございました。
新金型のラインナップがより密なトコロを突いてきています。
国産車のモデルも増えてくる見込みのため、
ココでもご紹介することが増えていく事でしょう。
次回の記事も読みに来てくださるとうれしいです。
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それでは、また。