こんにちは、ぶちょうです。
スパークの64スケールは主にル・マンカーが展開されています。
この辺りのモデルはさほど入手していなかったんですが、
ラインナップを見るとやっぱり気になってしまうのは良くあるコト。。(笑)
そんなわけで、15年度に衝撃的なマシンとしてデビューした、
FFレイアウトのGT-R LMをインプレしていきましょう。
まずは外箱の3面図
遠目から見てもやっぱ変わった形のクルマですよねコレ・・w
通常価格1458円(税込)で販売。
サルトの背景を使ってるのがスパークらしいデザインです。
スパークの台座で良いトコロは、ツマミを回せばクルマを取れるコト。
ササっとモデルを取り出せるのって意外と助かるんです。
さてモデルの方を見ていきましょう。
独創的なボディスタイルを持つGT-RニスモLM、この難しい造型を、
スパークは上手に全体像を捉えてモデルとしています。
ステッカー関連もキレイに貼られているのも良いですね。
クローズドボディのコクピットからリヤウイングまで繋がるシャークフィン。
厚みも結構薄めまで頑張って造型していて、シャープな出来栄えに一役買っています。
ホイール廻りもしっかりスポーク間の隙間を設けられていたり、ボディとのサイズも
そこそこバランスが取れているのがポイントです。
また、このモデルは窓を開けた状態で作成されているのが見えます。
さすがにリヤダクトの仕切り板はザックリな仕上がりとなっています。
マフラー口にも見えなくはない(?)テール・ハザードランプはタンポ印刷で表現。
・・しかしここで一つ問題が。
ブレーキランプより下の位置に付いてますし、ブレーキランプの内小さい方が
より上側に位置しているのが実車の写真と比べてみると分かるかと思います。
なぜココの再現をミスしているのかは分かりませんが、
単なる個体差で生じた問題では無いのは明らかのため、少し残念。
お次はフロント。ノーズに設けた空気取り入れ口もココからでは見えにくいですが、
キチンと空間を作って立体感を出しています。
ヘッドライトはさすがに実車と同様に細かくLEDを付けてる訳では無いかわり、
造型そのものは実車に近い形となっていますね。
裏面はいたってシンプル。 ディフューザーが造られている事くらいですかね。
ボディはカシメ留めを採用しているのが分かります。
タイヤから向こう側が見える空間がありますが、
カウル上部から4輪のタイヤが見えるようになっており、コチラも実車に促した内容。
見てみると前輪と後輪のタイヤ幅がかなり違いますが、
ここも実際のマシンの重量バランス上成り立った組み合わせがコレだったそうですね。
BBSの鍛造ホイールが装着されたGT-R LMの足元。
スポークの形状、奥行きともに中々の出来を持っています。
タイヤのサイズ感も丁度いい様子なんですが、ホイールナットの塗り分けや、
タイヤレター(タイヤにスポンサーのステッカーとか貼ってあるやつ)もあれば、
なおの事再現度がアップしたに違いなかったでしょう。
ボンネットにマフラー口が用意されているのがこのGT-R LMなんですが、
その辺りはタンポ印刷でまとめてあるようで、少し立体感に欠けます。
それでもマシンの全体像は実際の車両にかなり近い形になっていると思うので、
スパークも伊達にル・マンカーを多くモデル化してないだけは無いですね。
さて今日の実車話を少し。。
2014年、日産から信じられないニュースが発信されました。
「15年度のル・マン24時間に向けてマシンを投入する」
この予告を大題と報じ、そして15年ついにGT-R LMニスモが姿を現したのです。
あまりに常識離れしたデザイン、そしてFFレイアウト・・
チーフデザイナーであるベン・ボウルビーが現実で形にしたそのマシンは、
良くも悪くもプロトタイプカーの常をことごとくひっくり返したのです。
「FF」という前輪で駆動する構造を取った事から成り立つボディデザインは、
多くの人々に衝撃的印象を与えました。
FFレイアウトにした理由としては、「空力の優先」と言われています。
既に多くのノウハウを得ているアウディやポルシェ、それらを相手取るには
空力というポイントを活かすしか無いと、ボウルビーが着目しました。
そうした中、フロント側の設計があまり制限されてないレギュレーションを活かし、
マシン前部に比重を置いて製作が進められていく事になります。
また、設計のそれから重量バランスを取る事を考えた上で、
エンジンといった大きく重たい物の多くを前に搭載しました。
さっきのタイヤサイズが前輪の方が太いのもその理由の一つです。
ル・マン24時間レースには3台のGT-R LMニスモが出走しました。
しかしそこに至るまでの熟成不足が大きく影響し、
この21号車は道中タイヤが外れそのままリタイヤ、23号車もレース残り僅かで脱落、
最後に残った22号車のマシンはレース完走こそしたものの、
規定周回数以上を走っていないため「未完走扱い」と、
チームとしての目標である3台中1台はゴールさせる事は達成できたものの、
実際の結果に関して言えば・・正直散々な結果となりました。
日産は翌年の2016年に向けてマシンを製作しようと気持ちを前に向けてはいましたが、
しかし実際は・・・・お蔵入りだったのです。
少なくとも今後しばらくはこの様な奇怪でありながらも、
ユニークで独創的なマシンがサーキットを駆ける姿はそう見れないでしょう。
GT-R LMニスモひいては日産はその後結構な言われようだったんですが、
「こういうマシンの造り方もある」というボウルビーの革新的アイデアはたしかに、
良かった悪かったは抜きにしてル・マンの一つの歴史を刻んだのではないでしょうか。
レースの世界というのは、かくも結果が全ての世界。
革新的なアイデアがあろうとも、その手にトロフィーが無ければ、
それは意味をなさないものとなってしまいます。
エンジニアであるボウルビーが本当に見せたかったものは結果ではなく、
・・エンジニアとしてのプライドだったのかもしれません。
長くなりました・・今日のインプレは以上です。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
スパークでは現行車種のルマンカーも多くリリースしています。
そっちの方も入手出来たらインプレしてみたいですね。
次回も読んで頂けるとうれしいです。
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それでは、また。